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童女はいつも心のなかに
2751  ;2007/09/15(土) 19:45:21.86 ID:LfuoKvk80  
その年は記録的な大凶作だった。
夏、青々とした稲穂をつけるはずの梅次の田んぼも
茶色い枯れススキのような稲が頼りなく風になびくだけだった。
「こりゃぁ・・いかん」
梅次は一本の稲を手に取る。
諦めたように、しかしわずかな望みを託して実を指で押してみる
実はサクッと乾いた音をたて、梅次の望みと共に、潰れた。

 

2811  ;2007/09/15(土) 19:51:17.99 ID:LfuoKvk80  
「オギャァァァァ!オギャァァァァ!」
梅次の屋敷中に元気な赤子の鳴き声が響き渡った。
女の子だ。
本来喜ぶべきその知らせは、家人の顔を曇らせた・・・

 


HEAD LINE
2841  ;2007/09/15(土) 20:02:45.62 ID:LfuoKvk80  
「女か・・・働き手にもなりゃせんわい」
顔をしかめたまま言い放つ梅次
お産直後の妻は、眼を強く閉じた
分かっている。もうこれ以上口を増やすことは無理だと。
それでも男の子であれば、家の働き手として・・・

 

2851  ;2007/09/15(土) 20:05:16.38 ID:LfuoKvk80  
「こんな飢饉の時に育てられるわけがねぇ!お返し申すしかねぇ」
天に“お返し”する・・・つまり間引きすることだ。
妻は覚悟を決めた。

「ごめんなぁ、ごめんなぁ・・・生まれた時が悪かったんや」

 

2911  ;2007/09/15(土) 20:22:02.25 ID:LfuoKvk80  
綺麗な着物を着せられた女の子の遺体
もちろん名前は、ない
屋敷の一番奥部屋の床下に埋められた。

それが、この地方の、間引きの
暗黙のルール

「ごめんなぁ・・・ほんにごめんなぁ」
母は泣きながら部屋に人形を飾った。
女の子と同じ、綺麗な服を着た
日本人形

 

311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:10:49.55 ID:LfuoKvk80  
女「男くん、座敷わらしってさ?」
男「ん?」
女「なんか家の守り神扱いされてて怖くないイメージだけどさ?」
男「うん」
女「もともと親に殺された子供なんだよね・・・」
男「うん」
女「なんで家の守り神なんかになってるんだろ・・・」
男「・・・」
女「一番自分を愛してくれるはずの親に殺されちゃうんだよ!?」
男「・・・」
女「普通ならその恨みや未練は悪霊になってもいい位だと思うんだよね」
男「そだな」

 

313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:16:12.97 ID:LfuoKvk80  
女「だから私、考えたんだ!」
男「なにを?」
女「座敷わらしになる子って、自分が死んだって思ってないんじゃないかって」
男「ふーん」
女「死んだことに気付かない子が座敷わらしになってさ、殺されたことを知ってる子が
  地縛霊とかになるんじゃないかって・・・」

 

314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:20:54.41 ID:LfuoKvk80  
男「なんか斬新な意見だな」
女「でしょ?でしょ?新説として学会に発表しようかしら」
男「でもさ」
女「なに?」
男「座敷わらしの元が殺されたってか、間引きされた子供って話はよく聞くけどさ」
女「うん」
男「それだったら、7歳〜10歳くらいの子供が出てくるの、おかしくね?」
女「きっと気付いてないから、妖怪になっても成長するのよ」
男「それだと、もう年寄りになってるはずだろ?」
女「・・・う」

 

316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:26:36.06 ID:LfuoKvk80  
女「じゃあ、こういう説はどうだろう?」
男「・・・とりあえず聞こうか」
女「ほら、口減らしのために子供を殺して、その子供の供養までするわけじゃん」
男「うん」
女「供養のひとつに、子供の霊をなだめるために人形を供えたりしますよね?」
男「うん」
女「その人形に、殺された子供の霊が乗り移ったもの・・・それが座敷わらしなんじゃないかしら?」
男「・・・」
女「人形ってさ。大体10歳前後の子供だよね?」
男「そだな」
女「それだったら説明つくんじゃないかしら?」

 

321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:30:53.00 ID:LfuoKvk80  
男「まあ、お前にしてはよく考えてるよな」
女「えへへ?☆」
男「ま、確かに間引きされた子供と人形の関係って深いとは聞く」
女「うんうん」
男「“こけし”って元々“子消し”つまり子供を殺すって言葉から出てきたっていうし」
女「怖いね」
男「でもさ」
女「なに?」

 

324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:36:48.71 ID:LfuoKvk80  
男「供える人形ってさ、ほとんど女の子の人形じゃん?」
女「うんうん」
男「子供の霊が人形に乗り移ったとすると、ほとんど女の座敷わらしになっちゃうよな?」
女「・・・」
男「でも座敷わらしって、男の子が多いイメージだけど・・・」
女「男の霊が女の人形に乗り移って何か悪いわけ?」
男「・・・何キレてんだよ」

 

325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:42:08.86 ID:LfuoKvk80  
女「・・元の話に戻るけど、なぜ親に殺された子がその家の守り神になるのか!?」
男「無理やりだな」
女「守り神扱いされてるけど、実は守り神でも何でもないってのが私の新説!」
男「ほう?」
女「座敷わらしの伝説って地方によって違うし、諸説いろいろあるけどさ」
男「うんうん」
女「基本的な構図として、座敷わらしが出る家は繁栄して、出なくなると衰退するって形よね?」
男「うん」
女「でもそれって凄くこわくない?」
男「何が?」

 

329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:48:33.62 ID:LfuoKvk80  
女「なんか脅されてるような感じがするよね・・・」
男「どういうこと?」
女「だって座敷わらしが出なくなると家が没落するのは目に見えてますよね?」
男「うん」
女「家を守るためには、なにがあっても座敷わらしの機嫌を取り続けないといけない・・・」
男「・・・」
女「これって凄い無言の脅迫だよね」
男「言われて見ればそうだな」
女「これは子殺しをした家が存在する限り伝わる祟りみたいなものじゃないかしら・・・」
男「怖いね」
女「怖い」

 

332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 21:57:33.80 ID:LfuoKvk80  
女「私が座敷わらしを守り神じゃないって思う理由はもうひとつあるんだ」
男「なに?」
女「今はもういないけどさ、サークルの3年先輩の>>1さんって知ってる?」
男「会ったことはないけど、病気で大学辞めちゃったらしいな」
女「ココだけの話にしてね。その人ね・・・」
男「うんうん」
女「実は座敷わらしに近いものに憑かれて、気が狂ったって話なんだよ・・」
男「眉唾もんだな」
女「ホントだって!」
男「ふーん」
女「あっ!信じてないね?」

 

337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 22:07:46.57 ID:LfuoKvk80  
男「そもそも“座敷わらしに近いもの”って何だよ?」
女「まあ別に殺された子供じゃないみたいだから座敷わらしとは違うかもね」
男「それってただ気が狂っただけじゃんw」
女「まあ聞いてよ」
男「じゃあ聞く」
女「座敷わらしの3大要件を挙げよ」
男「なんだよ、いきなり」
女「いいから答えよ」
男「ん?今の話の流れで行くと
  1.親に殺される
  2.床下に埋められる
  3.人形で霊をなぐさめる
  ・・・かな?」
女「>>1先輩はね・・・」
男「うんうん」

 

376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 23:29:56.98 ID:LfuoKvk80  
女「頭の中に座敷わらしを生み出しちゃうの」
男「は?」
女「昔>>1先輩は、死んで人形を抱かされて埋められた女の子をみたのね」
男「うん」
女「その遺体に恋しちゃった先輩は、それ以来心の中に童女を住まわせちゃったってわけ」
男「それのどこが座敷わらしなんだ?」
女「さっきさ、座敷わらしが住む家は繁栄し、出て行くと衰退するって話したよね?」
男「うん」
女「>>1先輩の心に住む童女も同じでさ」
男「うん」
女「心に童女がいるときは幸せな気分になり、童女を見失うと絶望するって感じ」
男「・・・いまいち意味がわかんないな」

 

381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 23:39:36.44 ID:LfuoKvk80  
男「それって別に座敷わらし関係なくね?」
女「そう?」
男「んー。なんていうかな。死体に対する病的な恋愛感情ってだけな気がする・・・」
女「でもさ。>>1先輩自身が座敷わらしに対する執着をよく口にしてたらしいよ?」
男「へー」
女「んで、座敷わらしで有名な東北のR荘まで泊まりに出かけたんだって」
男「ふぅん」
女「それ以来大学に出てこなくなって、結局そのまま退学と」
男「やっぱり少し関係あるのかな?」
女「それはわかんないけど、皆“>>1は座敷わらしに憑かれたんだ”って思ってるね」
男「へぇ」

 

386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/15(土) 23:49:07.81 ID:LfuoKvk80  
女「その>>1先輩の話を聞いてから、『座敷わらしって本当に守り神?』って疑問が生まれてきたんだ」
男「確かにそんな話を聞いたら悪霊としか思えないよな」
女「でも先輩は凄く幸せそうな顔してたってさ」
男「へぇ」
女「人間何が幸せで何が不幸なのかって分からないよね・・・」
男「そだな」
女「・・・」
男「?」
女「・・・オカルトクラブ会員としては、一度座敷わらしに会ってみたいよね?」
男「正気か?」

 

438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 03:41:29.48 ID:+JSd5asi0  
男「何でわざわざ金払ってまで悪霊に会いに行かないといけないんだよw」
女「オカルトクラブ会員のセリフとは思えないわね」
男「・・・」
女「>>1先輩の証言をつなぎ合わせると、座敷わらしはこの世のものとも思えない妖艶な童女」
男「・・・」
女「会ってみたいでしょ?」
男「まあ」
女「今度の連休、いいよね?」
男「はい」

 

440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 03:49:31.77 ID:+JSd5asi0  
女「ココで8時12分発のあずさに乗り換えますよ」
男「はい」
女「ねえ?この前“こけし”の話してくれたじゃない?」
男「ああ」
女「“こけし”は“子消し”につながり、間引きされた子供を意味するって」
男「うん」
女「私考えてたんだけど・・・」
男「うん」
女「大人のおもちゃのアレも“こけし”っていうじゃん?」
男「・・・」
女「何でアレをこけしって言うのかなって思ってたんだけどね」
男「・・・」
女「形が似てるからって言うのもあるんだろうけど・・・」
男「なんだよ?」

 

442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 03:56:11.45 ID:+JSd5asi0  
女「生殖行為が伴わない擬似セックスのための道具ってことで“こけし”なんじゃないかと」
男「くわしく」
女「つまりさ。元々セックスって子供作るためのものですよね?」
男「うん」
女「でも経済的な理由で育てられなかったりする。だから間引きしたりしちゃう」
男「うん」
女「それを防ぐための、射精が伴わない擬似性器を子供が出来ないって意味で“子消し”にしたんじゃないかと」
男「まあ、そうかもな」
女「相変わらずノリが悪いわね」
男「電車の中でする話じゃないかもな」
女「・・・」

 

447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 04:14:41.39 ID:+JSd5asi0  
女将「いらっしゃいませ」
女「予約してた女ですけど」
女将「2名様で承っております。こちらへどうぞ」
女「はい」
女将「ご予約のお部屋は座敷わらしが出る事で有名なんですよ」
女「はい。それ目当てできました」
女将「座敷わらしを見た人は幸せになれるという言い伝えがあります」
女「はい」
女将「はい、こちらのお部屋です。どうぞごゆっくり」
女「はい・・・ってうわぁぁぁ」

 

449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 04:20:25.97 ID:+JSd5asi0  
男「これは・・・すごいな」
女「こんな日本人形がびっしり並んでる部屋で寝るの?」
男「人形の目が全部部屋の中央に向いているってのもまた怖い」
女「あ、ほんとだ」
男「ここに座敷わらしが出るのかもな」
女「これじゃあ幽霊も出るはずだわw」
男「シャーマンの降霊の儀式に立ち会わされてるような気分だ」
女「ほんとね」
男「うん」

 

452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 04:52:40.04 ID:+JSd5asi0  
女「おやすみ」
男「おやすみ」

女「ねぇ?」
男「なんだ?」
女「おしっこしたいんだけど・・・ついてきて」
男「一人で行って来い、俺は眠い」
女「あほっ」

男「・・・いい年こいて何言ってんだ」
男「ん?」
男「女?戻ってきたのか?」
男「・・・」
男「うゎぁぁぁぁぁぁぁ」

 

454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 04:57:13.18 ID:+JSd5asi0  
女「おはよ」
男「・・おはよ」
女「相変わらず朝に弱いわねぇ」
男「そんなんじゃねーよ」
女「結局座敷わらし出なかったねぇ」
男「・・・」
女「男くん?」
男「・・・ん?」
女「なんか疲れた顔してるねぇ?さては怖くて眠れなかったかw」
男「別に。なんか肩が重い」

 

457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 05:36:21.65 ID:+JSd5asi0  
女「ちょっと朝風呂行ってくる〜男くんはお風呂行かないの?」
男「ん。俺はいい」
女「じゃあね」

男「女将さん」
女将「はい?」
男「何で座敷わらしって10歳前後の女の子なんですか?」
女将「見えました?」
男「はい」
女将「よかったですね」
男「はい。元々座敷わらしって間引きされた乳児ですよね?
  何であんな姿なんですか?」
女将「地方によって違うかも知れませんけど、私が知ってる話では・・・」
男「はい」
女将「昔、天候異常が続いて飢饉になろうかというときにですね」
男「はい」
女将「飢饉を天の怒りと捉えて、その怒りを治めるためにいけにえを差し出したそうです」
男「それが」
女将「はい、それが座敷わらし」
男「・・・」
女将「初潮前の女の子を断食させて、綺麗な着物を着せたあと殺すそうです」
男「・・・」
女将「そしてその遺体に、人形を抱かせて別当の家の奥座敷に埋めるという習慣がありました」
男「はぁ」
女将「この旅館も元々別当家の屋敷を改築して出来たものですから」

 

458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 05:43:52.10 ID:+JSd5asi0  
女将「可愛かったでしょ?」
男「見たことないくらい可愛かったです」
女将「天の怒りを治めるためのいけにえですから、かなりの上玉が選ばれたそうです」
男「・・ああ」
女将「一目見て、取り憑かれる男性のお客さんも多いですよ」
男「・・・」
女将「まあ、取り憑かれるって言うよりは、その姿に恋して童女の幻影を追い続けるって感じでしょうか」
男「・・・」
女将「そういうお客様は何度でも、座敷わらしに会いに当旅館に見えられます」
男「・・・それで、“座敷わらしが棲みつく屋敷は繁栄する”と」
女将「うちの場合はそうかもしれませんね。おかげさまで」
男「・・・」

 

460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 05:54:09.64 ID:+JSd5asi0  
男「・・・次にあの部屋が空くのっていつですか?」
女将「おかげさまで人気の部屋ですからね。次は3ヵ月後ですね」
男「予約をお願いしたいんですが」
女将「ありがとうございます」

 

463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 06:10:31.55 ID:+JSd5asi0  
男「・・・と女将さんがいうには座敷わらしの正体はこういうことらしい」
女「ふーん。それだと座敷わらしが童女の姿してるのも頷けるわね」
男「だな」
女「でもさ〜ちょっと疑問があるんだけど」
男「なんだ?」
女「地方によってそういうケースがあるのは、まあ分かる」
男「うん」
女「でもさ、基本的には口減らしのために生まれてきた子を殺すわけでしょ?」
男「うん」
女「そういう座敷わらしも、やはり10歳前後の子供の姿してるわけじゃない?」
男「うんうん」
女「それについてはどういう解釈をしたらいいんだろ?」
男「・・・」

 

466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 06:22:23.41 ID:+JSd5asi0  
男「俺、それについてずっと考えてたんだけど・・・」
女「うん」
男「ちょっと無理な解釈かも知れないけど・・・」
女「うんうん」
男「いけにえっていうのはもちろん宗教的な意味合いが強いんだけど
  絶対その背後にはもっと現実的な意味があるはずなんだ。
  さっき女将さんは“初潮前の綺麗な童女”を殺していけにえにするって
  言ってたけど、それの本当の意味ってのは現実に生まれてきた子を間引きするんじゃなくて
  近い将来生まれてくるであろう子供の数を減らすって意味がないだろうか?
  綺麗な童女が初潮を迎えて女になったとき、当然村中の男から狙われるよな?
  そして子供を孕む。
  その将来の危険を元から断つ、その象徴だったんじゃないかと・・・」
女「・・・」

 

468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 06:33:32.17 ID:+JSd5asi0  
男「口減らしのために間引きするって言うとどうしても乳児殺しのイメージが強いよな?」
女「・・・」
男「昔は、生まれてから名前が付いてないうちは人間じゃないっていう観念が強かったらしくてさ」
女「うん」
男「子殺しとして、つまり殺人として認識されてなかったと聞いたことがある」
女「うん」
男「つまり!実際は初潮前の童女を殺してたんだけど、それを“間引き”と呼ぶことで
  乳児殺しのイメージへとすり替えを行ったんじゃないかな・・・」
女「・・・」
男「まだ童女殺しより、乳児殺しの方が社会的に認められていたわけだからね」

 

510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 11:06:08.81 ID:+JSd5asi0  
女「要するに、子供が出来る身体になる前の童女を殺すことで出産調整を行っていたわけね?」
男「そう!」
女「そしてその殺された童女が、座敷わらしになる。か」
男「そう!」
女「・・・なんか薄ら寒い話よね」
男「綺麗な童女が女になる前に殺されるんだ・・・」
女「うん」
男「これって、『自分の男を取られてたまるか』という村の女達の嫉妬が入ってるように思えるんだよな」
女「・・・」
男「10歳前後といえば、あどけない顔に少しずつ大人びた表情が混じってくる一番魅惑的な年齢だ。
  身体のラインも、少しずつ曲線を帯びてきて恥じらいも生じてくる。
  未完成の美っていうのかなぁ・・・
  大人では絶対にかもし出せない美しさがあるよね」
女「・・・」

 

513 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 11:21:41.52 ID:+JSd5asi0  
男「そんな童女達が、日に日に魅力を増していく・・・
  しかしそんな自分の魅力に気付かない童女は、まるで幼女のように無防備なわけだ。」
女「・・・」
男「そんな童女たちに男達の目が行かないわけがない」
女「・・・」
男「自分には無い魅力を持つ童女に嫉妬した、村の女達。
  『男をあんなしょんべん臭いガキに取られてたまるか』ということで、
  いけにえを名目に、村一番の美しい童女を見せしめとして殺す・・・」
女「・・・」

 

518 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 11:31:39.33 ID:+JSd5asi0  
女「・・・男くん」
男「ん?」
女「今の男くんってさぁ〜」
男「なんだよ」
女「>>1先輩が少しずつ狂っていった話に相似してる」
男「・・・」
女「見たんでしょ?」
男「・・・ああ」
女「どうだったの?」

 

520 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 11:40:53.32 ID:+JSd5asi0  
男「形が、ないんだ・・・」
女「は?」
男「実体が無かったんだよ」
女「意味わかんない。それって夢見てただけじゃないの?」
男「なんていうか・・・この前>>1先輩の話してくれたときさ
  『心の中に童女が棲み付く』って言ってたよな?」
女「うん」
男「視覚的には捕らえられないだけで、イメージとして頭の中に流れ込んでくるんだよ」
女「・・・」
男「真っ赤な着物を着た、おかっぱの童女・・・
  その子が無邪気に俺の身体にまとわり付くイメージ
  泣きながら殺され、床下に埋められるイメージ
  真っ暗な床下で、寂しくて・悲しくて、泣きながら日本人形をギュッと抱きしめるイメージ」
女「・・・」
男「でも唯一五感で感じ取れたのは」
女「?」
男「死臭」

 

525 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 11:52:02.79 ID:+JSd5asi0  
車掌『まもなく上野〜上野に着きます。お乗換えのお客様にご案内いたします・・・』

女「・・・」
男「死臭っていっても」
女「もういい」
男「お前が話せって言ったんだろ?」
女「・・・なんか怖いよ」
男「こわくないよ。今は俺がついてるんだから・・」
女「はぁ?」
男「暗いところでずっと一人で寂しかったんだな」
女「・・・」
男「・・・」
女「ちゃんと明日、学校来なさいよ?」
男「・・・」
女「朝、電話するからね?」
男「・・・」

 

530 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 12:12:29.84 ID:+JSd5asi0  
『プルルルルル・・・プルルルルルル・・・プルルルルルル・・・』
男「」
『プルルルルル・・・プルルルルルル・・・プルルルルルル・・・』
男「」
『プルルルルル・・ツーッツーッツーッ・・・』


男「だから、童女ってのは皆、座敷わらし性を持ってるんだよ。
  “心の中に棲息し、幸福を与える”という一点においてさ」
男「微かな腐臭と共に現れる童女のイメージ・・・
  彼女達は一番輝いている時に、嫉妬に狂った女達に殺された」
男「でもさ、それって彼女達にとっては幸せだったんじゃないかと思うんだ」
男「一番美しい姿で時が止まり、その姿を永遠に保ったまま男達の幻想の中で
  行き続けるんだから。永遠にさ」
男「微かに腐敗して、柔らかさを増したその身体に」
男「死をもってしても変わらない、童女独特の、硬い、表情」
男「その絶妙なバランスが」

ドンドンドンドンドンドン!ピンポーン!ピンポーン!
女「男くん!?どうしたの?男くーん」

男「彼女達の美しさを芸術的なレベルにまで高めてるんだろうな・・・」


童女は
いつも
心のなかに

 

537 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 12:18:12.81 ID:LWmcZb920  
>>1
お疲れさま

 

545 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。  ;2007/09/16(日) 12:24:48.32 ID:kycH2OMZ0  
>>1乙!!!!!11

 

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